良いデザインとは?

世の中の「デザイン」その共通点とは・・・

 食品工場用設備や産業機械の設計、製作、販売をしております、(株)あざみ創機です。

私はデザイナーと名乗れるほどではありませんが、プロダクトデザイナーとお話する機会が時々あります。また自分自身も機械設計をしておりますので、今回はデザインについて日頃感じていることを書きます。

 

 さて、表題にあります「よいデザイン」とはどのようなデザインでしょうか。

WEBページのデザイン、洋服のデザイン、家電・家具のデザイン、マスコットのデザイン…世の中はデザインで溢れています。

 

「同じくらいの価格の製品なら、デザインの良い方が選ばれる」というマーケット界の鉄則があります。しかし、外観の印象が素晴らしくても、実際に自分の生活空間内で使用したときに、

 

A:「使い勝手が悪い、すぐに壊れた」などといった不具合は聞く話です。また、

B:「せっかく買ったのになぜか使わないんだよね」といったケースもあるでしょう。

 

A,B両者に共通していることは、

”使うひとの身になって作っているか”という点に行き着くのではないでしょうか。

例えば、中小企業コンサル兼WEBデザイナーの菅谷信一さんは、企業のホームページを作る際、ページを作りはじめる前にその企業の特徴(USP)や考え方、コンセプトの策定に7割ほどの労力を費やすそうです。

 

商品過多、情報過多の現代で輝くためには悩みの本質を見抜く力がいよいよ必要となっています。

良いデザインは“兼ね備える”

 私が良いデザインだと思う例をいくつか挙げたいと思います。

以前知り合いのデザイナーが「良いデザインは機能を兼ね備えている」ということを仰っていました。

その意味するところは一体なんでしょうか。

 

【例1:お風呂のイス】

 お風呂のイスの多くには中心に穴が開いています。なぜ穴が開いているのでしょうか。

水はけがよい、持ちやすい、軽くなる、おしりに優しい(?)などの理由が推測されますが、メーカーさんいわく、一番の理由は「力が分散されて強度が増すから」だそうです。お風呂のイスの穴は強度を持たせながら使いやすさまで向上しているため、素晴らしいデザインだといえます。

 

【例2:トング(特にオークス社製)】

 「モノをはさんで取る」という機能のものを作ろうとした場合、

1、食品をつまむ部分

2、掴んだ食品を手でおさえる部分

3、1と2を連結する部分(通常開いた状態に保持する)

以上の3点の要素をどう組み合わせるかと考えると思います。その点、「トング」は、1枚の板を折り曲げることで上記の3要素をクリアしています。機能を兼ね備えることで、使いやすく、軽く、洗いやすく、製作コストダウン、しています。グッドアイディアですね。

 

【例3:子ども用シューズラック】

 著作権の関係で画像は載せられませんが、「キッズ シューズラック」と画像検索してみてください。子どもが玄関でワクワクしながら靴を選ぶ姿が想像できそうな素晴らしいデザインが生み出されています。また、支柱と持ち手を兼用したような無駄のないデザインのものもあります。(私自身もデザインに惹かれて購入してしまいました)

【例4:イナバ物置】

 自宅用にイナバ物置を購入し、自分一人で組み立てにチャレンジしたことがありました。自転車が余裕で入る大きさなのに本当にひとりで組み立てられるのだろうかと家族にも心配されました。

自分自身も「ひとりでやる」と言った手前、内心どきどきしていたのですが、商品が届いて組み立ててみると、設計の技術力の高さに感激しました。

 

 写真のように4本の支柱を立て、屋根の枠を組んでいくという作業が一番の関門です。この作業、どう見ても2人以上いないとできなさそうですよね?

しかしたったひとりでも組めました。(本当は2人以上いたほうがいいですが・・)

ジョイント部分の鈑金が特殊な形状をしていて、極端に言えばネジを使わなくてもはめ込みで自立します。現場の組み立て作業の細部までトコトン考えられた、これこそ企業努力の結晶です。

良いデザインは、使うひとを「幸せ」にする

 何点か例を挙げましたが、私なりの「いいデザイン」の解釈は、「使うひとを幸せにする」デザインです。日本の素晴らしいデザインに囲まれているとそれが当たり前のように思えてきますが、良いデザインのものは「使うひとの身になって」考えられているものです。そのため、触れたひと、使ったひとに満足感や幸福感を与えることができます。

改めて日常の「モノ」を見直してみるのはいかがでしょうか。

 

“ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である”という名言があります。

 

ある課題、ある問題を解決するための手段は一つではなく、それを考えるのが(プロダクト)デザイナーなのではないでしょうか。

 

弊社のプロダクトもよければご覧もください。

(この記事を書いたひと:

(株)あざみ創機 阿左見拓也)